長島と土岐がライバルに… 高速道路で商圏が変わる 2005.10

当時の様子

東海3県には2つ、アウトレットモールとして注目を集めている存在があります。ひとつは三重県、もうひとつは岐阜県。長島と土岐。これまでだったら長島と土岐だなんて、別世界と言っても良いほどのものだったのに、その2つの施設がライバル扱いされています。環状高速道路の開通が何をもたらしているのでしょうか。

2002(H14)年3月、ナガシマスパーランドに隣接したアウトレットモールがオープンしました。三井アウトレットパークのひとつ「ジャズドリーム長島」です。ブランド品のアウトレット店78店舗が、パステルカラーで彩られた街に並びます。

アウトレットモールということで、飲食店もシャレた感じで高いお店ばかりかと思いきや、310席のフードコートスタイルで、みそかつ、きしめん、鳥料理、ひつまぶし、台湾ラーメンと名古屋名物が目に付きます。

2000(H12)年3月に「リバーサイドモール」というアウトレットモールが真正町(現:本巣市)にオープンしているのですが、ジャズドリーム長島は「東海地区初のアウトレットモール」と言われています。これは大手としてという意味かも知れません。

ジャズドリーム長島がオープンした翌年、2003(H15)年10月、新たにナガシマリゾートのキャラクターとして採用された、ピーターラビットのイラストも後から設置されています。(かつてはウッドペッカーでした)

そんな、ジャズドリーム長島のライバルと言われているのが、2005(H17)年3月にオープンした、三菱地所系のアウトレットモール「土岐プレミアムアウトレット」です。85店舗が並びます。

山並みを見渡せる丘の上にあり、まるで外国の郊外にあるモールかのような風景で、それを活かし、コロラドをイメージしたデザインとなっています。

長島と土岐。どちらも高速道路沿いにありまして、土岐は2005(H17)年3月19日に開通した、東海環状自動車道、愛称「MAGロード(マグロード)」の土岐南多治見IC近くにあります。といいますか、このインターはアウトレットモールのために作られたのではないか?という距離です。

そして長島は、伊勢湾岸自動車道のパーキングエリアを兼ね備えた、湾岸長島IC近くにあります。PAからは800メートルほどなので、頑張って歩けば、高速道路から降りることなく立ち寄ることができます。

しかも、同じく2005(H17)年3月19日に伊勢湾岸道は全線開通し、東海環状自動車道と接続されたのです。つまり長島と土岐はつながった高速道路沿いにある形になりました。

たとえば静岡方面から下り方向へ走っても、大阪方面から上り方向へ走っても、途中でどっちに曲がるかで長島に行くか、土岐に行くか、という選択肢になりうる形になったわけですね。

高速道路の開通によって、はるか遠くのアウトレットモール同士が競合になる。逆の見方をすると、アウトレットモールの商圏と言うのは、高速道路を視野に入れたものすごく広いものなのですね。

あとがき(2021.5)

長島と土岐の拡大競争は互いをライバル視しているとしか思えませんでしたね。店舗数の推移を見てみますと。

  • 2003.10 長島・開業…78店舗
  • 2005.03 土岐・開業…85店舗
  • 2006.07 長島・拡張…145店舗
  • 2006.10 土岐・拡張…111店舗
  • 2007.09 長島・拡張…190店舗(国内最大)
  • 2010.07 土岐・拡張…144店舗
  • 2011.09 長島・拡張…240店舗
  • 2014.11 土岐・拡張…183店舗
  • 2017.09 長島・拡張…302店舗(国内最大・面積も)

開店時に土岐が長島を抜いたことが刺激になったのか、それ以降の長島の拡張具合は驚くべきものですね。常に土岐を突き放し、国内最大というレベルにまで引き上げていますからね。

そんなバトルの一方で、リバーサイドモールは…。

中部地区初のアウトレットモールとしてオープンしたリバーサイドモール 2000.03
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ジャズドリーム長島 VS 土岐プレミアムアウトレット。これからもそのバトルは続くのでしょうね。

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